大人の8割が
歯を失うリスクを抱えている
歯を失う原因第1位は「歯周病」
歯を失う原因には、むし歯、歯が折れた、親知らずの抜歯、矯正治療のための抜歯など様々な理由がありますが、原因の第1位は「歯周病」です。30代までは歯周病よりもむし歯や親知らずの抜歯などで歯を失う人が多い一方で、40代以降から歯周病が原因で歯を失う人が急に増えていきます。50代以降では歯周病が歯を失う原因の第1位となります。
大人の8割が歯周病
年齢と共に歯周病が進行する
軽度な歯周炎は5〜9歳の頃から見られますが、歯周ポケットが深くなり出血や膿が出るなどの進行した歯周病は10代から見られるようになります。30代で20%以上、40代後半になると40%以上の人が進行した歯周病にかかっています。
歯周病の発症・進行と免疫力との間には深い関係があることがわかっています。人間の免疫力は20代を過ぎると少しずつ低下していき、年齢を重ねていくにつれ、歯周病の発症・進行が進んでいきます。
1本でも歯を失ってしまうと、
他の歯も失うリスクが高まります
歯が1本抜けてしまった場合、入れ歯や差し歯で補うことは出来ますが、健康な歯に負担がかかることや抜けたとここの骨が痩せてしまうことで、他の歯を失うリスクも高まります。
また歯を失うことでしっかり噛むことができなくなり、身体全体にも影響を与えてしまいます。
歯を失うと身体全身に影響する?!
「しっかり噛めること」は
健康寿命を延ばします
ご自身の歯の本数が多く
しっかり噛んで食事ができる人
食べられる 魚 ご飯 野菜 肉
食事ができる
多くなる
助ける
しっかり吸収
働く
身体も心も元気でイキイキ過ごせる
歯の本数が少なく
しっかり噛んで食事ができない人
ばかり食べる おかゆ うどん バナナ
栄養バランスが偏る
減る
負担がかかる
吸収されにくい
働かない
メタボ
身体に不調が現れ気分も落ち込みやすい
ご自身の歯でしっかり噛んで食事をすることは、健康寿命を伸ばすことに繋がります
食べること=命を支えること
しっかり噛んで美味しい食事をするために
必要な歯の本数
おいしく食べるために必要な歯の本数
18~28歯
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たくあん -
フランスパン -
酢ダコ -
堅焼きせんべい -
スルメイカ
6~17歯
-
せんべい -
れんこん -
かまぼこ -
おこわ -
きんぴらごぼう -
豚肉(薄切り)
0~5歯
-
ナスの煮付け -
バナナ -
うどん
18〜28本の歯が残っていれば、固い食べ物でもしっかり噛むことが出来ます。18本を下回ると、食べられるものが限られてきます。また食事が「とても美味しい・美味しい」と感じている人は、平均で20本以上の歯があることも分かっています。
食事が「とてもおいしい・おいしい」と
感じている人は、平均で約20本の歯がある
良い歯でよく噛み良い身体を
8020運動
80歳で20本の歯を目指しましょう
8020 運動(ハチマルニイマルうんどう)とは、「80 歳になっても自分の歯を20 本以上保とう」という運動です。厚生労働省と日本歯科医師会の呼びかけで、平成元年から進められています。80 歳になっても自分の歯を20 本以上保つことは、健康で長生きをするための大切な目標といえるのです。
あなたが歯を失うリスクは?
歯周病セルフ診断
次の項目で当てはまる項目を数えてみてください。歯周病の有無や進行度をセルフチェックで診断してみましょう。
- 歯ぐきに赤く腫れた部分がある。
- 口臭がなんとなく気になる。
- 歯ぐきがやせてきたみたい。
- 歯と歯の間にものがつまりやすい。
- 歯を磨いた後、歯ブラシに血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある。
- 歯と歯の間の歯ぐきが、鋭角的な三角形ではなく、おむすび形になっている部分がある。
- ときどき、歯が浮いたような感じがする。
- 指でさわってみて、少しグラつく歯がある。
- 歯ぐきから膿が出たことがある。
歯周病診断結果
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0個の場合
歯周病の可能性は低いと思われます。ご自身では気が付かない症状もあるため、心配な方は歯科医院での検査をおすすめします。
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1~2個の場合
軽度な歯周炎の可能性があります。軽度な歯周病の場合は、適切なブラッシングと歯科医院でのクリーニングで治ります。
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3~5個の場合
中等度以上に歯周病が進行している可能性があります。歯科医院で歯周病の治療を受けて進行を食い止める必要があります。
歯周病は自覚症状がなく進行していく病気だと言われています。
定期的に歯科医院で歯周病の有無や予防をおこなうことで、「歯を失うリスク」を軽減させましょう。
歯周病は知らぬ間に進行する歯周病
歯周病とは?
左側は健康な状態、
右側は歯周病の状態を表しています。
歯と歯ぐきの間に溜まったプラークの中にいる歯周病菌は、少しずつ歯ぐきを破壊していきます。むし歯と異なり、痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気付いた時には症状がかなり進行していることも少なくありません。
歯周病は悪くなればなるほど進行が早くなるため、歯周病がどのように悪化していくのか知ることはとても大切です。
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歯肉炎
歯周病菌の出す毒素などによって歯ぐきに炎症が起きます。腫れますが、見ただけではわからないことも多いです。
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軽度歯周炎
歯周ポケットができ、そこにプラークや歯石が溜まります。歯ぐきからの出血や膿が出ることもあります。歯槽骨と呼ばれる骨が溶け始めます。
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中等度歯周炎
歯ぐきの炎症が奥まで進行し、出血や膿が出るだけでなく、ブヨブヨとした状態になり口臭が気になるようになります。歯槽骨がさらに溶けて、歯のぐらつきが出てきます。
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重度歯周炎
歯周病の末期症状で、歯槽骨がほとんどなくなり、歯根が露出します。食事で噛むことも難しくなり、歯が抜け落ちることもあります。
歯周病の原因は歯周病菌ですが
歯周病菌が暴れる原因は
生活習慣です
歯周病の直接の原因は歯周病菌ですが、歯周病菌のすみかとなるプラークをためやすい悪い生活習慣(環境因子)にも注意が必要です。
また、健康状態が悪く、抵抗力(免疫力)が落ちていると、歯周病菌が暴れ出しやすくなります。
体の状態
免疫力が
落ちている状態
悪い生活習慣
- 間食が多い
- よく噛まずに食べる
- やわらかいものを好んで食べる
- ストレスをためやすい
- タバコを吸う
- 歯みがきをせずに寝る
- 歯をきちんと磨かない など
プラークが
溜まりやすく
なり
歯周病菌が
暴れ出す
歯周病菌は身体に影響を与えます
歯周病と全身疾患
歯周病はお口の病気だけではありません。歯周病菌は、歯ぐきや歯を支える骨を溶かすだけではなく、
血管を通り全身にめぐり悪さをします。
現在ではこのように多くの全身疾患と歯周病は関係していると言われています。
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狭心症・心筋梗塞
心臓の筋肉に栄養を送る冠動脈が狭くなったり、詰まることでおこる心臓病。動脈硬化が進行しておこる。
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心内膜炎
心臓の弁に歯周病菌が感染しておこることがある。心臓弁膜症など、基礎的な病気がある人は要注意。
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糖尿病
血糖値が高い状態が続いておこる。ひどくなると、さまざまな合併症をもたらし、歯周病もその一つといわれる。
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胎児の低体重・早産
妊娠中はつわりなどで、口の中のケアがむずかしくなりがち。歯周病が妊娠・出産に影響を及ぼすというデータも。
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バージャー病
手や足のゆび先が青紫色になって強い痛みがおこり、潰瘍になってひどくなると細胞が死んでしまう(壊死)病気。喫煙者に多い。
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骨粗しょう症
女性に多く、骨密度が低くなり、骨がすかすかにもろくなる病気。骨折しやすく、高齢者の寝たきりの大きな原因。
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認知症
物忘れが病的になった状態。何らかの原因で脳が萎縮するアルツハイマー型と、脳卒中の後遺症としておこる脳血管性がある。
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動脈硬化
高血圧や脂質異常が進んで、血管が厚く硬くなった状態。血液がスムーズに流れない虚血性の心臓病や脳卒中の原因になる。
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がん
免疫力が下がった口内から、歯周病菌が体内に入り込み、血管を通して、内臓に慢性的な炎症を引き起こすことで、がん発症の原因といわれている。
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肺炎
歯周病菌など、口の中の細菌が気管に入り込み、肺炎にかかることも。高齢者・寝たきりの人や、脳卒中の後遺症などで飲み込む力が低下しているとおこりやすくなる。
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肥満
肥満はさまざまな生活習慣病の温床。最近、おなかに脂肪がつく内臓脂肪型肥満がメタボリックシンドロームの大きな原因になるため、とくに問題になっている。
※病名の文字が赤いものは生活習慣病。
※青はそれ以外の歯周病と関係がある要注意の病気。
歯周病を治療し、
お口の中から健康な身体へ
歯周病は大人のほとんどの人がかかっていますが、自覚症状がないため治療している人は少ないのが現状です。しかし、歯周病を放置していると歯を失い、しっかり噛めなくなることで体の不調に繋がってしまうことや、歯周病菌が全身にめぐり様々な病気を引き起こす怖い病気であることも分かってきています。
そのようにならないためにも、歯科医院で定期的に歯周病検査をすることがとても大切です。
おけはざま歯科クリニックは、歯科治療を通じてみなさまのお口の健康から身体の健康までもお守りできる歯科医院でありたいと思っています。